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2023年5月24日 (水) 11:30 ~ 12:10K1-2WJWTP基調講演会場(会議棟)

Beyond 5G/6Gにおけるミリ波・テラヘルツ波利活用の適材適所

移動通信システムではUHF帯やマイクロ波帯が使われてきたが、5Gになってミリ波帯の利用が始まり、Beyond 5G/6Gではテラヘルツ波帯を利用するための検討が始まっている。波長で言えば数十cmから数mm、周波数で言えば数百MHzから数百GHzと約3桁に及ぶ範囲を使うことになる。このように広い範囲の電磁波の物理的性質は大きく異なることから、それぞれの帯域にあった適切な使い方で利活用することが自然であって、その特徴を最大限に生かせる。一方でシステム的立場から言えば、周波数帯毎に異なるシステムを開発し、複数のシステムを運用するするよりも、なるべく1つのシステムで統一する方が良い。さらに経済的効率性の立場からは、設備整備や運用コストを下げることが重要となる。
Beyond 5G/6Gが導入される2030年代では、サイバー・フィジカル・システム(CPS:Cyber Physical System)が形成され、通信システムを介した実空間(Physical Space)のデータ収集と、サイバー空間(Cyber Space)においては再構成、分析、予測が行われ、結果に基づく実空間への駆動が行われるようになる。この循環をCPSループと呼ぶ。このCPSが社会生活の隅々にまで行き渡ることで、誰もが活躍できる(Inclusive)、持続的に発展する(Sustainable)、人間中心の安全安心な社会(Dependable)を実現すると言う目標が立てられている。この目標を達成するにあたり、CPSループを回す中核となるのが次世代移動通信システム即ちBeyond 5G/6Gである。Beyond 5G/6Gでの様々な電波帯域の利活用は、この目的・目標に適合するように適材適所で使われるようにすることが重要である。
国立研究開発法人情報通信研究機構
Beyond 5G研究開発推進ユニット
寳迫 巌 氏
1993年博士号(理学)を取得。日本鋼管(株)のULSI研究所を経て通信総合研究所(現NICT)に入所。現在、情報通信研究機構(NICT)のBeyond 5G研究開発推進ユニット長。テラヘルツ帯の半導体デバイス・カメラ・ワイヤレスシステム等の研究開発に従事。テラヘルツシステム応用推進協議会6Gワーキンググループ主査、IEEE 802.15 TG3mb及びStanding Committee Terahertz (SC-THz)の副委員長。