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2023年5月25日 (木) 14:00 ~ 16:30S2-2WJWTP特別講演会場

NICTにおけるワイヤレス研究の最新動向

情報通信研究機構(NICT)では、Beyond 5G/6Gの実現に向けて、様々な無線通信技術・システムの研究開発に取り組んでいます。本セッションでは、WTP2023で出展する最新成果を中心に、研究開発ビジョンを始め、ローカル5G高度化技術、ドローンや海中ロボットのための無線技術、通信衛星・HAPS・船舶をつなぐ非地上系ネットワーク(NTN: Non Terrestrial Network)、さらにはワイヤレスエミュレータやB5Gモバイルテストベッドなどについて紹介します。(全10講演)

14:00-14:15 「ワイヤレスネットワーク研究センターのミッション&研究ビジョン」
現在、Beyond 5Gや6Gにおける情報通信技術の研究開発が推進されている中で、地上と宇宙をシームレスにつなぐ高度なワイヤレスネットワーク技術の実現が期待されています。5Gでは、高速大容量・超高信頼低遅延・超大量端末という3つの特徴がありますが、さらに将来的には空間的なネットワークのグローバルな拡張が必要とされ、非地上系ネットワーク(NTN)と呼ばれる移動体との通信の高度化が期待されています。本講演では、NICTにおけるワイヤレスネットワーク研究センターのミッションと研究ビジョンについての概要を紹介します。

ネットワーク研究所 ワイヤレスネットワーク研究センター 研究センター長
豊嶋 守生 氏

14:15-14:30 「5G/ローカル5G高度化のための無線拡張・検証技術」
Beyond 5G時代においては、無線通信の利用主体がヒトからモノへと移り、要件の多様化がますます進展すると考えられます。また、社会のあらゆる分野にサイバーフィジカル連携が浸透し、通信速度や容量の拡大、遅延の低減など、無線通信への要求もこれまで以上に高まります。そのような背景の中、ワイヤレスシステム研究室では、既存システムと共存する新たな電波利用の基盤技術開発や、モノ主体システムでの無線サービス大規模化に対応する設計・検証・評価基盤の確立を目指した研究開発に取り組んでいます。本講演では、特に5G/ローカル5Gの高度化に向けた研究開発について紹介します。

ネットワーク研究所 ワイヤレスネットワーク研究センター ワイヤレスシステム研究室 室長
松村 武 氏

14:30-14:45 「空や海の次世代モビリティのための通信技術」
空を飛ぶクルマ、HAPSやドローン、海中ロボットやセンサ等、様々な場所での次世代モビリティの運用が期待されている。これらは、農業・工業・漁業・測量・監視など様々分野に応用が可能であると考えらえる。この中で、これらとつなぐ無線通信にも注目が高まっている。本研究室では空や海でのモビリティ通信技術の研究開発を行っており、それらについての紹介を行う。

ネットワーク研究所 ワイヤレスネットワーク研究センター ワイヤレスシステム研究室 主任研究員
松田 隆志 氏

14:45-15:00 「NTNにおける統合ネットワーク制御技術」
Beyond 5Gに向けた研究開発においては、拡張性・広域性という観点から非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)が注目されている。NTNは、衛星、高高度通信プラットフォーム(HAPS)、ドローンなどの多様な通信プラットフォームを介して、海、空、宇宙などの異なる空間を相互につなぐシステムである。NTNを実現するためには、地上系との連接、時変の伝搬環境への対応、複数の衛星事業者の管理などが必要になる。本発表では、NTNの構築に向けたNICTの取組みとして、統合ネットワーク制御に関する研究開発状況と、今年度から始まった「経済安全保障重要技術育成プログラム/光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」で実施する内容を紹介する。

ネットワーク研究所 ワイヤレスネットワーク研究センター 宇宙通信システム研究室 研究員
阿部 侑真 氏

15:00-15:15 「移動プラットフォームとの高速光通信に向けたNICTの最新の進捗」
NICTは移動プラットフォームにおいて高速光通信技術を実用的なシナリオに導入する取り組みをリードしています。このセミナーでは、NICTが開発している多目的な端末の最新進捗状況を紹介し、孤立したP2PリンクからグローバルなB5Gネットワークまで、様々なシナリオで活用できることをご紹介する。

ネットワーク研究所 ワイヤレスネットワーク研究センター 宇宙通信システム研究室 研究員
カラスコ-カサド アルベルト 氏

15:15-15:30 「ポータブルSIP4D」
大規模かつ多様な自然災害発生時に,政府災害対策本部にて被災状況を迅速に把握し,それに基づいて府省庁や自治体等の公共団体や指定公共機関等が横断的に連携して災害対応にあたる必要がある.その際の情報収集・共有を行うシステムとして,基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D)を活用することが防災基本計画に定められている.しかし,SIP4Dのシステムへはインターネット経由でアクセスする必要があるため,大規模災害時など通信インフラが被害を受けインターネットに接続できない環境下で活動する災害対応機関は,SIP4Dにアクセスができない課題があった.本稿では,大規模災害時において公衆通信網の途絶が発生したとしてもSIP4Dを用いた情報収集・閲覧・分析・情報の登録や共有を可能とする,ポータブルSIP4Dについて紹介する.

ネットワーク研究所 レジリエントICT研究センター サステナブルICTシステム研究室 主任研究員
大和田 泰伯 氏

15:30-15:45 「Beyond 5G等に期待されるテラヘルツ無線技術」
Beyound 5Gに用いる周波数帯としてテラヘルツ波への期待が高まっている。テラヘルツ波に最も期待される特長は、従来にない広い周波数帯域幅を用いて高速大容量通信が実現できる可能性だが、テラヘルツ波には特有の様々な特性があり、従来の無線技術とは異なる観点で無線システムを開発していくことが求められる。これを踏まえ、NICTでは、未開拓・未割当の周波数であり、Beyond 5Gモバイル通信システム等での利用が期待されるテラヘルツ波を、次世代の無線技術として利活用するための研究開発を実施している。NICTや共同研究における研究開発や標準化活動の内容をご紹介する。

Beyond5G研究開発推進ユニット テラヘルツ研究センター 副研究センター長
笠松 章史 氏

15:45-16:00 「未来のシステムの創出と研究開発を支えるテストベッド環境の構築・運用」
本講演では、去年10月にサービスを開始した「高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッド」を挙げながら、Beyond 5G時代における高度かつ複雑なシステムに対して適切な実証評価を行うためのNICTの取組みを説明する。NICTが提供するテストベッドは、これまで有無線網等インフラが中心のネットワークレイヤであったが、デジタルツイン・ワイヤレスエミュレーションに対応するミドルウェアレイヤ、ビッグデータ分析・アプリケーション開発に対応するプラットフォームレイヤまで拡張する。さらに、利用形態に応じて適切にテストベッド機能も拡張される循環進化を旨としていることを具体例を挙げながら述べる。

ソーシャルイノベーションユニット 総合テストベッド研究開発推進センター 研究開発推進センター長
児島 史秀 氏

16:00-16:15 「超高密度IoTを実現する非同期パルス符号多重通信APCMA」
膨大な数のセンサーを使用した低コストのワイヤレス ネットワークの実現は、利用可能なワイヤレス帯域幅が限られているために妨げられてきました。 このプレゼンテーションでは、「Asynchronous Pulse Code Multiple Access (APCMA)」と呼ばれる新しい方式を紹介します。これにより、数万台のセンサーノードが同じ周波数帯域で数秒間隔でデータを送信できます。 相互の干渉を最小限に抑えるように設計されたスパース・パルス列を使用します。 実験では、チャープ・スペクトラム拡散 (CSS) によって変調されたパルスを使用して、920 MHz帯域で500台のノードで正しく動作することが示されています。 アプリケーションは、資産追跡から工場自動化まで多岐にわたります。

未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 企画室
ペパー フェルディナンド 氏

16:15-16:30 「Beyond 5Gによって実現される2030年代の未来生活とそれを実現するアーキテクチャの考え方」
Beyond 5G は、2030年以降に利用が見込まれる次世代の情報通信ネットワークです。NICTでは、Beyond 5Gを利用することによって実現できる未来社会を考えながら研究開発の方針を決めていますが、本講演ではその未来社会の様子をビデオ等を交えて分かりやすく示します。また、技術的な観点では、Beyond 5G の多種多様な機能群を適材適所に組合せ、新しいサービスを創成するためアーキテクチャが必要となりますが、その考え方についても説明します。

Beyond5G研究開発推進ユニット Beyond5Gデザインイニシアティブ イニシアティブ長
石津 健太郎 氏