2024年5月29日 (水) 11:30 ~ 12:10K1-2WJWTP基調講演会場
Beyond 5G時代の日本のR&D戦略とテラヘルツ波の可能性
次世代移動通信Beyond 5G/6Gの研究開発は2020年頃から開始されほぼ4年が経過した。総務省/NICTが行ってきた委託研究や研究助成もあり、国内においては多くの基礎・基盤的研究が進んだ。海外においても多くの国において、同様なファンディングが行われ研究開発が行われている。このように研究開発競争が行われる中、2023年12月には世界無線会議が開催され、Beyond 5G/6Gに用いる可能性がある周波数帯に関する議論が行われた。その中にはミリ波・テラヘルツ波についての議論も含まれている。ここから先は、2030年頃の実装に向けて、3GPPでの標準化作業が行われ、実装に向けた開発が行われて行くことになるだろう。本講演では、これまの研究開発状況を概観し、今後の方向性について議論を行う。特に、Beyond 5G/6Gの新しい周波数帯として注目されてきたミリ波・テラヘルツ波に関しては、これまでの国内での議論概略を紹介し、現時点でどのような実用化の可能性があるのかを論じる。
国立研究開発法人情報通信研究機構
Beyond5G研究開発推進ユニットユニット長寳迫 巌 氏
1993年博士号(理学)を取得。日本鋼管(株)のULSI研究所を経て通信総合研究所(現NICT)に入所。情報通信研究機構(NICT)の未来ICT研究所所長、ワイヤレスネットワーク総合研究センター長を経て、2021年4月よりBeyond 5G研究開発推進ユニット長。これまでにテラヘルツ帯の半導体デバイス・カメラ・ワイヤレスシステム等の研究開発に従事。IEEE 802.15 Standing Committee Terahertz (SC-THz)の副委員長。